金買取の価格に影響を与えるものとして地政学リスクがあります。以前は「有事のドル」と言われることが多く、戦争や紛争などが起こったときには、ドルを持っておけば安心だと考えられていました。しかし、リーマンショックが起こったことからも分かるように、ドルも価値を下落させてしまうことがあり、このようなことから最近では「有事の金」といわれるようになってきました。通貨というのは、その国の経済が破綻すると紙切れ同様になってしまうわけです。
地政学リスクとは、地理的な要因が国家に与えるリスクを指しますが、最近では紛争によるリスクを指すことが多くなってきたと言えるでしょう。ある国の経済や政治が混乱すると、クーデターが起こったり戦争が起こったりすることがあります。また、テロが起こることもあり得るでしょう。このようなことが軍事的な問題に発展することがあり、これによって世界経済が混乱する可能性が高くなります。
たとえば、日本で言えば北朝鮮のミサイル発射などがありますし、エジプトでのクーデターやシリアの内戦なども地政学リスクと考えられます。地政学リスクは国がある限り意識しなければならないもので、金買取の価格にも大きな影響を与えると言わざるを得ません。最悪の場合に備えて通貨や証券ではなくて、実物資産である金を保有しておこうというインセンティブが働きますから、地政学リスクが意識されるような状況では金買取の価格は上昇すると考えられます。
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